マイクロスコープを使った拡大精密根管治療

マイクロスコープ
マイクロスコープ

当院では、医療用に使用される24倍率の拡大顕微鏡「マイクロスコープ」を2台導入し、深い虫歯における根管治療や外科処置などにおいて、精密な治療を行っています。

根管治療以外にも様々な治療に活躍します

マイクロスコープは、深い虫歯などの根管治療(歯内療法)以外にも、さまざまな場面で治療に生かしています。当院におけるマイクロスコープを使った治療は主に以下のようなものです。

  • 神経に到達しそうな(している)深い虫歯(根管治療・歯内療法)に
  • 歯ぐきなどを切開する際などの外科処置において
  • 審美歯科治療における精密な形成
  • インプラントにおけるサイナスリフト等の骨造成治療

光の照射が一定で、術者の手元・患部に影が出来ないため、暗く狭い場所でも明るく細かい作業ができます。特に歯科医療では、歯1本1本の細かい治療内容のため、近年における歯科医院のマイクロスコープの導入が進んでいる事情は必然なのかもしれません。

虫歯は初回の精密な治療がポイントです

特に虫歯治療は、虫歯になった部分や細菌の取り残しがあると、再発の可能性が高くなります。初診(初回)に精密な良い治療を行えば、再発のリスクはぐっと減り、歯にとっても良好な結果をもたらします。

マイクロスコープにおける精密な虫歯治療については、お気軽にお問い合わせください。

こだわり:MTAセメントの使用

歯の神経の治療(根管治療)にMTAセメントを使用しています

MTAセメントの流れ

当院では、最近注目を浴びている歯科材料「MTAセメント」を虫歯の根の治療に使用し、良好な虫歯治療の結果を得ており、皆様から喜ばれております。

当院としては5年以上前からMTAセメントを根管治療に導入しており、以前流行った3Mix法よりも、MTAセメントを使った方が予後がいいと言われています。

MTAセメントの特長

MTAセメント
  • 昔であれば神経を全て取らなければいけないようなケースも、MTAセメントを使用し歯髄の部分保存が期待できる
  • 根管治療の治療経過予後を良好に保てることが期待できる
  • 従来の治療よりも、より歯髄(神経)を残すことも可能
  • 神経が無くなった歯に対しても強度と殺菌性を保てる

MTAセメントは、保険外ですので、治療前には概算を詳しくご説明させていただきますが、当院ではケースにより、上記マイクロスコープやラバーダム防湿をして、精密な根管治療を行っております。

MTAセメントは、さまざまなメーカーがしのぎをけずり、開発・販売が促進されていますが、当院では「モリタ バイオMTAセメント」をメインで使用し、「ヤマキンTMR-MTAセメント」や「デンツプライ プロルートMTA」等も導入し、ケースによって使い分けをしております。

セメントといっても、お口を開けた時に見えるものではなく、歯の中に塗り固めて最終的に仮詰めで封鎖して使用するイメージです。MTAセメントは全ての虫歯治療に使えるわけではなく、歯科医師の診断のもと、使用するかどうかを決定いたします。

こだわり:ラバーダム防湿

ラバーダム防湿

ラバーダム防湿を事前に施しマイクロスコープを覗いてしっかり根管治療をします。

ラバーダム防湿とクランプ

クランプなども多用し、ラバーダム防湿も複雑になりますが、これだけの手間暇をかけてしっかり接着修復しています。

直接覆髄

直接覆髄術前:レントゲン

術前:レントゲン

直接覆髄術後:レントゲン

術後:レントゲン
直接覆髄で歯髄を残せました(凹凸部分がMTAの箇所)

露髄

①術前:露髄

出血

②削っていくと出血します

MTAセメント

MTAセメントでふさぎます

充填

④充填

充填

⑤充填

不幸にして歯髄治療を行わなければいけない場合、ファーストチョイスで直接覆髄を行いますが、直接覆髄でもダメなケースは根管治療を行います。まずは根管治療を行い、もし治らない場合は、根管治療は何度も続けるものではありません。その場合、後述でご紹介している歯根端切除術などの外科的な根管治療に移行します。その際、CTによる精密な診査・診断が必要となります。

歯根端切除術

先端に病巣がありますが、歯根端切除とMTAセメントによる逆根管充填により病巣が治癒しています。

症例1

病巣

術前

歯根端切除術中

術中

歯根端切除術後

術後

症例2

病巣

術前

歯根端切除術後

術後

症例3

病巣

術前

歯根端切除術中

術中

歯根端切除術後

術後

 

歯髄を極力残す~当院の方針~

当院の判断基準は、MI治療のページでも解説しておりますが、虫歯治療の流れとしては、虫歯は口腔内の症状が複雑になる始まりなので、とにかく、フッ素→アイコン→小さなダイレクトボンディング修復→通常のダイレクトボンディング→セラミックインレー→テーブルトップオンレー→クラウンという流れで、とにかく低侵襲の順番の施術を行っております。この流れの中で「歯髄はどんなことがあっても極力残す」のが当院の方針です。

歯髄を失った歯は「10年で保存不可能になる」というデータも

ラバーダム防湿

歯髄を失った歯は、アメリカの論文によると、多くの歯は(最も多い転機は)「10年で保存不可能になる」というデータ※1があります(長く持っても30年)。根管治療を行った歯は、よほどのことが無い限り長く持ちません。

ですので最初の治療をするときには確実に、保険ではなく、マイクロスコープCT撮影と診断(根管の方向・長さ・湾曲度合い)とラバーダム防湿を使った自由診療で、無菌化で行うべきです。

しかも無菌化の状態でコアを入れて歯の補強までしておけば、圧倒的に予後が良好であることが分かっています。ですから根管治療で良くないケースというのは上部構造(被せ物・詰め物)が不良で感染することが多いので、最初に如何に無菌下で行うことが重要であるかが分かるかと思います。

日本の保険診療には限界があります

無菌化は保険診療の流れ作業では絶対にできないことです。もし今後、過去の保険診療をされた方で、不幸にも再発してしまった場合には、次こそ自由診療の無菌下による根管治療をきちんと行うべきです。

  • *この作業を1~2回のアポイント予約(通院回数)できるだけ早く終わらせたいのです。ダラダラと数週間~数か月~数年もかかって治療するようなものではないのです。
  • *日本の保険診療の根管治療には限界があります。「最初の根管治療こそ自費診療で!
  • *保険診療での根管治療をご希望の方は、完全に無菌化には出来ないので感染リスクが高くなります。
  • *感染根管になると、治せる確立が半分に減ります、感染が起きる前に直す必要があります。
  • *感染根管の場合、歯根端切除術という方法も行っております

※1出典:米国root canal treatment survival analysisより

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35549468/

このアメリカの出典論文について

歯科医

この論文のすごいところは、アメリカ国内全土のデータを集めた数値です。約4万6千人のうち、7万1千本の歯のデータを追っている論文になります。そのサンプルからデータを出し、中央値は11.1年で、26%の歯は20年持っています。その差は何かというと「適当な環境下の中で行っているか」「無菌下の中できちんと行っているか」の違いだと記載されています。

アメリカは基本的に歯内療法専門医が多いので、専門医だけのデータを集めると治療の質は上がるので、当然この中央値の11.1年はもっと高くなるはずです。しかしこの論文は色んなクリニックのデータを集めた11.1年ですので、1年という寿命もあれば、20年持つ人もいるはずです。

日本はもっと劣悪な環境で行っていますから、この数値はさらに下がるはずです。このようなデータは日本国内では存在していません。先進国の日本なのに、歯内療法においてはまだまだ後進国であるのです。

根管治療は、歯の寿命を考慮するのであれば、出来ることなら最も介入したくない治療の一つです。しかし、根管治療をやるとなったら、我々歯科医師も患者さんも心してかからないと、将来的に歯を失ってしまいます。

もしあなたが現在、歯医者にかかり「念のためブリッジでつなげておきましょうね」「神経を取っておきましょうね」と言われたら、ぜひこの現状を事前にしっていただき、歯医者のいいなりにならず、思いとどまってみてもいいのではないしょうか。もしかしたら失われずに救われる歯があるかもしれません。

今一度、日本国内の根管治療の実情、根管治療の重要性について考えてみませんか。お気軽にお問合せ・ご相談ください。

ここまで行う、当院のこだわり「最初の根管治療こそ自費診療で!」

歯科医

初めての根管治療こそ、保険外診療を受けていただきたいです。根管は感染させてしまうと治癒が低下してしまいます。日本の保険診療では使える薬剤に限界があり、日常的にラバーダム防湿もすることはできません。

当院では自費診療においては、根管内を清掃で使うファイルは1回のみ使用で使い捨てにしております。きれいで確実に治療可能なファイルしか使用しておりません。

通常、保険診療ではこのファイルを洗浄・滅菌して何度も繰り返し使用します。そのため破折のリスク、作業効率の低下、治療の不確実性、清潔性など、問題があると考えております。

また治療中に次回のアポイントまで仮の蓋をしますが、この仮封にもこだわりをもっており、下記の内容で三層構造にしております。

  • 1層目:お薬を付けたら柔らかい蓋をします
  • 2層目:中程度の硬さの蓋をします
  • 3層目:最後に硬い蓋をします

上記のように内部に唾液や食物などの細菌が入らないよう最大限の注意をしております。治療完了後は速やかに当院の接着技術を使い、コア(芯)と歯質を一体化し、歯の強化及び細菌の侵入を防ぎます。その後、セラミックス等の修復治療に入っていきます。

虫歯の痛みについて

歯が痛い

「歯が痛い」この症状が歯科医院を訪れる一番の理由になると思います。では、この歯痛の原因とは一体何なのでしょう?その多くは虫歯が原因となっています。その他、知覚過敏や歯のヒビ、見えない虫歯なども考えられます。

虫歯を治療する際、ある程度症状が軽い場合(C1~C2)であれば詰め物だけで済みます。ところが進行してC3になると歯髄(歯の神経)を抜くことになります。ところがこの治療法には、歯がもろく折れやすくなる、痛みを感じなくなり虫歯にかかった際に進行に気付かず悪化させてしまうなどのデメリットが有ります。

また永久歯に生え替わったばかりの歯は、歯根が未発達のため歯根の成長が止まってしまうといった問題点もあります。歯髄を抜くことのメリットは全くと言って良いほど有りません。この問題を解決する方法がマイクロスコープによる精密治療です。

虫歯治療の流れ

虫歯は症状の進行具合や状態によって治療内容も変わります。ここでは一般的な診療の流れ(初診からアフターケアまで)についてご紹介していきますので、これからご来院される方、現在治療中の方も診療を受ける際の参考にされてください。

初診

当医院では治療を行う前のカウンセリングをとても重要なものと考えています。どのような治療を受けたいか?患者さんと一緒になって最適な治療方法を判断します。

診断

レントゲンなどを使ってむし歯の進行具合を確認します。

説明

各種の検査結果に基づいて診断を行い、今後の治療方針や期間、費用などについてドクターの独断ではなく患者さんと一緒になって考えます。

消毒・密封

虫歯を取り除き、菌を殺菌するお薬を入れます。その後セメントで封鎖し、1週間~2週間の間、痛みが出ないことを確認。その後最終的な詰め物へ。

詰め物or被せ物のセット

最後に型取りをし、ダイレクトボンディングやセラミックスクインレー、オールセラミックスクラウンなどの補綴物をセットし治療完了です。

メインテナンス

治療終了後の再発を防ぐために「メインテナンス」のページで詳しくご説明していますので一度目を通されてください。

ご予約・お問い合わせ

診療時間 日祝
08:30-13:00
14:00-18:00

8:30-13:00 / 14:00-18:00(最終受付17:00)
休診:水・日・祝
*祝日ある週は水曜診療、学会等で平日不定期休診あり

福岡県福岡市城南区神松寺2-13-24

バスでお越しの方

福岡駅、薬院駅、六本松駅より片江営業所行(16系統)、片江3丁目停留所下車すぐ

お車でお越しの方

  • 福岡都市高速「堤」出入口より5分
  • 福岡市城南区、福大通り沿い「神松寺2丁目」交差点の牛丼「すき家」さん向かい、紳士服「フタタ」さんの斜め向かい

*当院隣り「郵便局」向かいに駐車場13台分・駐輪場あり