当院では、世界のスタンダード「MI治療」を積極的に行っております。

MI治療
(最小限の介入で歯髄を残す治療)

MI治療

MI治療とは『ミニマルインターベンション』『ミニマリーインベーシブ』のことで、歯質や歯髄へのダメージを最小限に抑え、むし歯になった場所のみを最小限に取り除き、修復する治療法です。

当院ではMI治療を積極的に行い、患者さんの歯の健康を守ることに力を入れています。この治療法は2000年に『国際歯科連盟』により推進され、現在では歯科医療界で広く受け入れられています。

なぜMI治療が必要なのか?

前歯のむし歯
奥歯のむし歯

MI治療では、介入時期を遅らせることで、なるべく歯のダメージを抑え、健康な歯や歯質をより多く残し、できる限り神経を残す治療を心がけます。そうすることで、歯の寿命を延ばすことにつながります。歯の将来を考えることなく大きく削ってしまうと、それだけ歯は脆くなります。

また、歯の神経を取ってしまうとさらに歯は弱くなり、歯の寿命は短くなってしまいます。歯の神経があると、歯の寿命は30年以上と長持ちしますが、神経を抜くことで寿命は10年くらい短くなります。MI治療を行い、できるだけ歯を削らない・神経を取らないことは、歯の寿命を延ばすことにつながっていきます。

当院の治療例

ホリゾンタルスロットアプローチ

奥歯の隣接部分を極力削らず、歯の大切な構造や体積を残す

ホリゾンタルスロットアプローチ

術前

ホリゾンタルスロットアプローチによるダイレクトボンディング

術後

隣接部分(横)からアプローチして、歯を極力削らず、歯の大切な構造部分や体積を残す施術で「ホリゾンタルスロットアプローチ」と呼ばれます。

歯の大切な骨組みに当たる部分「辺縁隆線(へんえんりゅうせん)」を削ると、歯の強度が著しく弱まります。この「辺縁隆線」を削らないことが歯にとって大きなメリットとなります。横から特殊な器具を使って内視鏡的なアプローチで施術を行います。

辺縁隆線(へんえんりゅうせん)とは? なぜこの歯の構造が重要?

辺縁隆線

図中の丸く囲われている4つが、いわゆる「辺縁隆線」と呼ばれる部分です。例えるなら家の骨組み、柱に相当する部分です。この辺縁隆線は歯の構造・強度を維持するために非常に重要な役割を果たしています。

むし歯の後発部位は辺縁隆線直下によく起きるので、一般的な歯科医院ではこの辺縁隆線を削る行為は多くなりがちです。辺縁隆線を失うと歯自体は、どんどん弱くなってしまいます。

将来的に健康な歯を維持するためにも(歯の強度を保つためにも)、この辺縁隆線は極力残すよう治療計画を立てなければなりません。

厚みの小さな“半円形”器具で削る部分を半分に

エアスケーラーチップ

エアスケーラーという機器に取り付けるエアスケーラーチップと呼ばれる切削器具です。通常、歯科で削る器具は回転して削りますが、こちらのチップは半円型の非常に小さな器具で回転しません。

通常の切削器具は、回転すると真円になって削れてしまいますが、こちらは半円で削れるため、入口を狭くして最小限に削り取ることが可能で、半円になるということは半分の切削量で済むことになります。

このエアスケーラーチップはKaVo社製で仕入れ単価が非常に高く、1つ約2万円の消耗品で3~4回くらいしか使えません。このような器具を使ってホリゾンタルスロットを行っております。小さな目立たない器具ですが当院の大きなこだわりでもあります。

 

トンネリングアプローチ

奥歯の隣接部分を極力削らず、歯の大切な構造や体積を残す

虫歯

術前

トンネリングアプローチ

術中

トンネリングアプローチ

術中

トンネリングアプローチ術後

術後

トンネリングアプローチという方法です。辺縁隆線とコンタクトポイントを残したまま、特殊な器具をトンネルを掘ったような状態で内視鏡的に使用し、虫歯になった部分だけを最小限に取り除きます。

バーディカルスロット

奥歯のアイコンとダイレクトボンディングのコンビネーション治療です。やむを得ず削らなければいけない隣接部分はバーディカルスロットという治療法を用いダイレクトボンディングで修復、削るまでもない箇所はiconで削らずに治療しています。辺縁隆線が保持出来ないと判断した場合、最低でもバーディカルスロットの段階で止めたいのが理想です。

隣接面のむし歯①:隣接面のむし歯です。
隣接面のむし歯②:隣接面のむし歯です。
セパレートゴム③:2番目の奥歯は削るまでもないと判断し、セパレートゴムを入れて歯間を一時的に離開させ、作業しやすいようスペースを作ります。
バーティカルスロット法④:両隣のむし歯は、さすがに辺縁隆線を削らなければいけません(バーティカルスロット法)
※ホリゾンタルスロットやトンネリングアプローチで辺縁隆線を残せるケースもあります
ラバーダム防湿⑤:ラバーダム防湿をして、歯間の洗浄を行います
 
 
 
薬液⑥:緑色の薬液を使い、むし歯の表面を溶かします
icon⑦:溶かした箇所に液体のicon樹脂を流し込みます
光重合⑧:光重合し固めます
研磨⑨:キレイに研磨し、治療が完了です

このように、同じように歯の間がむし歯で変色していたとしても、全て削って埋めるわけではなく、むし歯の深度によって治療法は変わってきます。削る前に数年でも進行を抑えられるのであれば、その歯の寿命は確実に延びます。なぜここまで治療法を使い分けるかというと、先に解説した「辺縁隆線」を極力残したいためです。とても目立たない繊細な治療方法ですが、当院の大きなこだわりでもあります。

歯の間に虫歯が出来たときにまず考えること

歯科医

歯の間の治療をすることが歯にとって一番ダメージが大きいんです。一昔前までの治療は、ある程度のむし歯は「メタルインレー」が第一選択肢でした。インレー法ですと、コンタクトポイントも大切な辺縁隆線も全部取り除く必要がありました。虫歯部分だけでなく接着の強度を得るために、虫歯でもない大事な部分も大きく削る必要があったわけです。

このように大きく削ってしまうと、咬み合わせに大事な辺縁隆線が無くなりますので、将来的に歯は破折の方向にしか進まないのです。

ですので当院はコンタクトポイント(歯の隣接面)をアプローチする際は、以下のように、ものすごく慎重に行います。↓

当院の「歯の隣接面」治療流れ

当院の歯の隣接面の治療の流れとしては・・・

  1. 虫歯が見つかる:ファーストチョイスはフッ素で様子見
  2. 虫歯が進行した場合:icon(アイコン)で進行を止める(むし歯の初期)
  3. 小さく進行した場合:上記のホリゾンタルスロットトンネリングアプローチを駆使し、辺縁隆線を残す
  4. 大きく進行した場合:上記のバーティカルスロットで小範囲~広範囲のダイレクトボンディングに移行

・・・のような治療の進め方を慎重に行っております。 むし歯の進行状況(深度)によって治療法は変わります。

なぜこの順番で治療をすすめるか?それは歯の構造の大切な部分である辺縁隆線を残したいからです。辺縁隆線極力残すことが、将来的な歯の寿命を大きく左右します。

歯の状態に合わせ、治療法を使い分けたケース

歯科

術前

隣接面を削ると歯は上記の点線丸枠のようになります。このような状態は当院では現在行っておりません。

歯科

術中・術後

治療法は左から・・・

  • 咬合面のダイレクトボンディング
  • テーブルトップオンレー
  • セラミックインレー
  • ダイレクトボンディング(セミダイレクトインレー)

歯の状態に合わせて、治療法の使い分けを行っており、極力歯を残す治療を行っております。

下顎前歯の先天性欠如を接着性ブリッジで全く削らずに回復したケース

先天性欠如

術前

先天性欠如

術中:先天性欠如

接着

術中:接着の様子

接着性ブリッジ

術後:自然になりました

接着性ブリッジ

矯正治療が終わった10代の男性です。先天性欠如でもともと下顎の前歯が無く、年齢的にインプラントは若すぎるので難しいので、接着性ブリッジ2本で対応したケースです。

このケースのポイントはブリッジが2本つながってない構造であることです。2本がつながってた構造だと口腔内のたわみでどうしても外れやすくなってしまいます。この男性は両隣の歯根が長く丈夫だったため、片方の接着だけでも強度が取れると判断し、それぞれ独立したブリッジを実現できました。

結果、両隣の歯をまったく削らずに、ジルコニア製の接着性ブリッジを1本ずつ、単冠で製作できました。両隣の歯にダメージは一切与えず、将来的にメンテナンスや治療のやり直しがきくので、インプラントが適応にならない10代の学生さん等、若年層の患者さんには最適な治療方法です。

このような前歯の欠如は、インプラントや通常のブリッジだけの選択肢ではなく、可能であれば接着性ブリッジという選択も積極的に考えたほうがよいかと思います。この方が30-40代になったらインプラントという将来的な選択肢でも充分です。

世界的スタンダードの接着性ブリッジです

歯科医

両側の歯と神経(歯髄)を削り取り、それでも、歯質が70%失われると言われる通常のブリッジにしますか? このように通常のブリッジ治療では、多くの問題があることは否めません。

ただ、この接着性ブリッジで大切なことは、治療過程のラバーダム防湿や接着技術をきちんと行わない限りは成立しない治療法です。通常片側の接着だけでは成立しないので、接着技術がのものすごく大切です。片側の接着は、日本国内ではあまり馴染みがないかもしれませんが、実はこの片側の接着方法が世界基準(世界のスタンダード治療)です。

当院の方針である「歯髄を絶対的に残す」こと。その方針にこの接着性ブリッジはとても有効です。

 

奥歯の修復の流れ当院のMI治療の流れ

むし歯の初期段階~重度まで、虫歯の進行度合いに応じて、当院では下記のような介入を時期を見極めてなるべく削らない治療を行っております。それぞれのタイミングで進行が止まればそれに越したことはありません。

フッ素塗布

フッ素

フッ素には、酸で溶けた歯をもとに戻す再石灰化作用やむし歯の菌の活動を抑制する作用があります。

フッ素はホームケア用もありますが、当院では歯科医院でしか塗布できない高濃度のフッ素を塗布し、初期むし歯の経過をみていきます。

アイコン

奥歯のアイコン

アイコンはドイツの会社が開発した低粘度で浸潤性を持つ材料です。厚生労働省の認可を受けた安全性の高い充填材料です。初期むし歯は、歯の表層がむし歯の菌の出す酸によって溶けた状態です。

その歯面にアイコンを浸潤させて補強することで、カルシウムやリン酸の溶出を抑え、酸の侵入をブロックして虫歯の進行を抑え、再石灰化を促進します。

むし歯治療を行う場合も、なるべく削らない、削る量を最小限にする治療を行います。むし歯の大きさによって以下の治療を行います。

奥歯のダイレクトボンディング

ダイレクトボンディング

ダイレクトボンディングでは、歯科用の白いペースト状のハイブリッドセラミックを、直接お口の中で詰める方法です。むし歯の部分を最小限に削り、1日で治療ができます。

⇒奥歯のダイレクトボンディングへ

テーブルトップオンレー

テーブルトップアンレー

通常の保険のむし歯治療では、銀歯や保険の白い被せものを行うことがあります。銀歯や保険の白い歯ですと、被せ物を外れないようにするために歯の根元まで大きく削る必要があり、エナメル質を多く削ることになります。

テーブルトップオンレーでは、歯を削る量を少なく、エナメル質を多く残すことができます。保険の被せものだと30%ほど削り、セラミックスクラウンだと60%ほど削りますが、テーブルトップオンレーでは、削る量を15%ほどまで抑えることができます。

テーブルトップオンレーはこちら

セラミックスクラウン

さらに虫歯が進行し、歯の頭の体積を大きく失ってしまった場合、被せ物の治療をすることになります。詳しくはセラミックスクラウンの項目をご覧ください。

オールセラミックスクラウンへ

デンチャー

残念ながら歯を欠損した場合には、隣在して残っている歯や歯根を固定源として、義歯を装着することになります。当院では入れ歯についても、その方のご希望やライフスタイルに合わせて、よく噛める審美的な入れ歯治療をご提案しております。

入れ歯治療へ

インプラント

歯を欠損した場合に、隣在する歯に負担をかけることなく、歯を回復できる治療としてインプラントがあります。当院ではCT診断やサージカルガイドを使用した安全なインプラント手術を行い、上部構造の歯も咬み合わせを考慮した審美的で機能的なインプラントをご提供しております。

インプラントへ

前歯の修復の流れ当院のMI治療の流れ

フッ素塗布

フッ素

フッ素には、酸で溶けた歯をもとに戻す再石灰化作用やむし歯の菌の活動を抑制する作用があります。

フッ素はホームケア用もありますが、当院では歯科医院でしか塗布できない高濃度のフッ素を塗布し、初期むし歯の経過をみていきます。

アイコン

前歯の初期虫歯

術前

術後

術後

アイコン
icon

アイコンはドイツの会社が開発した低粘度で浸潤性を持つ材料です。厚生労働省の認可を受けた安全性の高い充填材料です。初期むし歯は、歯の表層がむし歯の菌の出す酸によって溶けた状態です。

その歯面にアイコンを浸潤させて補強することで、カルシウムやリン酸の溶出を抑え、酸の侵入をブロックして虫歯の進行を抑え、再石灰化を促進します。

むし歯治療を行う場合も、なるべく削らない、削る量を最小限にする治療を行います。むし歯の大きさによって以下の治療を行います。

前歯のダイレクトボンディング

ダイレクトボンディング

ダイレクトボンディングでは、歯科用の白いペースト状のハイブリッドセラミックを、前歯の表面に直接詰める方法です。むし歯の部分を最小限に取り除き、1日で治療ができます。

⇒前歯のダイレクトボンディングへ

ラミネートべニア

ラミネートべニア

ラミネートベニアは、前歯部の表側に貼り付ける薄いセラミックのことをいいます。接着性レジンを用いて歯質に接着させる歯冠修復法です。歯を削る量を最小限に抑えることができ、審美面でも優れています。

⇒ラミネートべニアへ

オールセラミックスクラウン

さらに虫歯が進行し、前歯の頭の体積を大きく失ってしまった場合、セラミックスの被せ物の治療をすることになります。詳しくはオールセラミックスクラウンの項目をご覧ください。

オールセラミックスクラウンへ

インプラント

虫歯が神経まで到達し、残念ながら抜歯せざるを得なくなってしまった、もしくは、何らかの理由で前歯を失ってしなった場合は、審美的にもインプラントが有効な場合があります。当院では前歯の審美インプラントでも数多くのケースの実績があります。

インプラントへ

よくある質問Q&A

MI治療の対象年齢はありますか?
対象年齢はありませんMI治療に対象年齢はありません。お子さまから大人の方まで幅広い年齢の方が対象です。特に、お子さまに必要な治療だと考えています。
MI治療では、歯を削らないで済むのですか?
削らないこともありますし、状況によっては最小限削る必要もありますMI治療は歯を削らない治療ではなく、むし歯と健康な歯質を見極め、歯の神経をなるべく残し、歯の寿命を延ばすことを目的にしています。全く削らずに治療できることもあれば、削る必要も出てくるので、その場合は必要最小限に削って、接着修復を行います。
子供でもMI治療はできますか?
はい、可能です。これから歯を長く使うお子さんにこそ有効な治療だと考えています。

ご予約・お問い合わせ

診療時間 日祝
08:30-13:00
14:00-18:00

8:30-13:00 / 14:00-18:00(最終受付17:00)
休診:水・日・祝
*祝日ある週は水曜診療、学会等で平日不定期休診あり

福岡県福岡市城南区神松寺2-13-24

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福岡駅、薬院駅、六本松駅より片江営業所行(16系統)、片江3丁目停留所下車すぐ

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  • 福岡都市高速「堤」出入口より5分
  • 福岡市城南区、福大通り沿い「神松寺2丁目」交差点の牛丼「すき家」さん向かい、紳士服「フタタ」さんの斜め向かい

*当院隣り「郵便局」向かいに駐車場13台分・駐輪場あり